mizumushi.net水虫・爪水虫を一次資料で確かめる

治療法の全体像

皮膚真菌症診療ガイドライン2025は、治療法ごとにClinical question(CQ)と推奨度を示しています。ここでは足白癬・爪白癬に関わる7つをそのまま一覧にします。

推奨度の一覧(足白癬・爪白癬)

皮膚真菌症診療ガイドライン2025 表1 のうち足白癬・爪白癬に関わるもの[1]
CQClinical question推奨度
CQ1足白癬に抗真菌薬による外用療法は有用かA
CQ2足白癬に抗真菌薬による内服療法は有用かA
CQ3爪白癬にエフィナコナゾール爪外用液は有用かB
CQ4爪白癬にルリコナゾール爪外用液は有用かB
CQ5爪白癬にテルビナフィンの内服は有用かA
CQ6爪白癬にイトラコナゾールの内服は有用かB
CQ7爪白癬にホスラブコナゾールの内服は有用かA

推奨度の意味はガイドラインに定義されている。A は「行うよう強く勧める」、B は「行うよう勧める」、C1 は「行ってもよい」、C2 は「行わないほうがよい」、D は「行うべきではない」である。[1]

足白癬:外用が中心

足白癬の治療は外用抗真菌薬が中心となる(CQ1、推奨度A)。日本で使える外用抗真菌薬はすべて1日1回の塗布でよい。[2][3]

ただし、角化型など外用で難治な病型や、接触皮膚炎が合併して難治な症例では抗真菌薬の内服を2カ月程度行うのもよいとされ、爪白癬を合併している場合は抗真菌薬の内服を第一選択とすべきだとされている。[2][4]

爪白癬:内服が原則

従来のガイドラインでは爪白癬治療の原則は経口抗真菌薬の内服とされていた。その後、爪白癬に保険適用を持つ外用薬2剤が発売された。ガイドラインは、経口抗真菌薬に比べ外用薬の完全治癒率は低いものの、抗真菌薬の内服ができない、あるいは内服を希望しない爪白癬患者に使用されると位置づけている。[5]

爪外用液2剤の推奨文はいずれも、肝機能障害等で内服が困難、あるいは内服薬を希望しない中等症以下の爪白癬患者に用いるよう勧める、という形になっている。[6][7]

効果を評価する時期

薬剤耐性株は無効な薬剤を長期・間欠的に投与することで誘導されるため、ガイドラインは、足白癬・体部白癬は1カ月、爪白癬は3カ月を目安に治療効果を評価し、症状の改善がみられない場合は薬剤耐性株の可能性を考慮して薬剤の切り替えを行う必要があるとしている。[8]

また、菌の発育が止まると菌が死んでいなくても症状が消えるため、症状が消えたことを治療終了の根拠にはできない。外用では、鏡検で菌陰性を確認してからさらに1カ月塗布を追加することが治癒に導くコツとされている。[2]

保険適用外とされている治療

難治性の爪真菌症に対して、外用薬の効果を高める補助療法として尿素軟膏密封療法による爪甲除去や外科的抜爪術が行われることがある。レーザーや光線療法を用いた治療の報告もあるが、ガイドラインは保険適用外と明記している。いずれの方法も病変部の爪甲を十分に除去できるかが治療効果に影響し、抜爪術は爪甲に変形を残すことがあるため注意を要するとされている。[5]

レーザー治療には、ガイドラインの表1に推奨度が与えられていない。推奨度が付いていないことは、ガイドラインが評価の対象として推奨度を示した治療ではないということを意味する。[1][5]

このページの出典

  1. 日本皮膚科学会・日本医真菌学会合同 皮膚真菌症診療ガイドライン2025(日本皮膚科学会雑誌 135巻13号 2511-2566頁、2025年) p.2512 表1 Clinical questionと推奨度
    https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/2013/08/19e2ae577a696f81acf51fdcc0173e2c.pdf(2026-10-10 確認)
  2. 日本皮膚科学会・日本医真菌学会合同 皮膚真菌症診療ガイドライン2025(日本皮膚科学会雑誌 135巻13号 2511-2566頁、2025年) p.2515「1.1 手・足白癬」治療・生活指導
    https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/2013/08/19e2ae577a696f81acf51fdcc0173e2c.pdf(2026-10-10 確認)
  3. 日本皮膚科学会・日本医真菌学会合同 皮膚真菌症診療ガイドライン2025(日本皮膚科学会雑誌 135巻13号 2511-2566頁、2025年) p.2535 CQ1(足白癬・外用療法)
    https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/2013/08/19e2ae577a696f81acf51fdcc0173e2c.pdf(2026-10-10 確認)
  4. 日本皮膚科学会・日本医真菌学会合同 皮膚真菌症診療ガイドライン2025(日本皮膚科学会雑誌 135巻13号 2511-2566頁、2025年) p.2536-2537 CQ2(足白癬・内服療法)
    https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/2013/08/19e2ae577a696f81acf51fdcc0173e2c.pdf(2026-10-10 確認)
  5. 日本皮膚科学会・日本医真菌学会合同 皮膚真菌症診療ガイドライン2025(日本皮膚科学会雑誌 135巻13号 2511-2566頁、2025年) p.2516「1.2 爪白癬」治療(内服・外用・その他)
    https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/2013/08/19e2ae577a696f81acf51fdcc0173e2c.pdf(2026-10-10 確認)
  6. 日本皮膚科学会・日本医真菌学会合同 皮膚真菌症診療ガイドライン2025(日本皮膚科学会雑誌 135巻13号 2511-2566頁、2025年) p.2537-2538 CQ3(エフィナコナゾール爪外用液)
    https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/2013/08/19e2ae577a696f81acf51fdcc0173e2c.pdf(2026-10-10 確認)
  7. 日本皮膚科学会・日本医真菌学会合同 皮膚真菌症診療ガイドライン2025(日本皮膚科学会雑誌 135巻13号 2511-2566頁、2025年) p.2538 CQ4(ルリコナゾール爪外用液)
    https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/2013/08/19e2ae577a696f81acf51fdcc0173e2c.pdf(2026-10-10 確認)
  8. 日本皮膚科学会・日本医真菌学会合同 皮膚真菌症診療ガイドライン2025(日本皮膚科学会雑誌 135巻13号 2511-2566頁、2025年) p.2530「薬剤耐性白癬の治療」
    https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/2013/08/19e2ae577a696f81acf51fdcc0173e2c.pdf(2026-10-10 確認)